日本において、基本的には緊急時でない限り、初診時はクリニックで診察を受けることが推奨されています。ちなみにクリニックとは、入院施設が無い、もしくは入院施設があってもベッド数が19床以下の小規模な医療機関を指します。
そもそも総合病院における外来の診察枠は、予約の患者さんでスケジュールが埋まっていることがほとんどです。そのため、受付にいる医療事務員は初診の患者さんに緊急性が無いと判断すると、予約していた患者さんの診察を優先することが原則となっています。その結果、どうしても待ち時間が長くなる傾向にあります。
またベッド数が200床以上の大きな病院に紹介状なしで行くと、選定医療費という追加料金を支払わなければなりません。この料金は各病院が独自に設定することができます。そのため、紹介状なしだけで7千円以上の高額の選定医療費を請求されることもあるのです。
さらに総合病院では、受付で患者さんに問診票を記入してもらい、ひとまずは医療事務員が該当すると思われる科に割り振るのが一般的です。その際、医療事務員は外来患者を診察したうえで判断するのが仕事ではないため、割り振った科が適切かどうかは実際に医師の診察を受けるまで分からないというデメリットがあります。
とある総合病院では、胸が痛いと問診票に記載されていた患者さんを医療事務員が循環器内科に割り振り、医師が診察した結果、病状の原因は心臓ではなく肺であり、呼吸器内科が正しかったというような事例もあります。こういったことを踏まえたら、時間的にもコスト的にも、初診時はクリニックに行くほうがメリットが多く安心であることがわかります。